「弟の夫」 NHKプレミアムドラマ
NHKオンデマンドで『弟の夫』を見ている。
タイトルの通り、主人公の弥一(佐藤隆太)のもとにカナダから、死んだ弟の『夫』であるマイク(
このドラマの画面は木と肌の色調が豊かな表現で描かれている。
その肌を、彼らの顔を、
物語の魅力やリアルさや説得力は、
台所のテーブルや居間のちゃぶ台をはさんで、
マイクの口調は穏やかでゆっくりだ。相手の言葉を遮らず、
弥一の迷いと自問は、とても静かだ。
それは弥一が過去に死んだ弟に語りかけ、
「そこ」にむけて語るときに、相手の顔がわかって語るときに、ぼくらは
このドラマの登場人物たちは、権利を主張したりしないし差別を指弾したりもしない。まず見つめるべきは自分の心の中なのだ。
田亀源五郎の原作漫画は4巻で完結していて書店でも手にはいる。
ドラマは全3話で、2話目まで見た感触ではとてもいい。
3話目は3月18日に放映なので、いまから楽しみにしている。
3/22 追記
最終話まで視聴した。3週に渡ったこのドラマの放映と、マイクが弥一家にいた3週間が同じものだったことに、夏菜のセリフで気付かされた。
ラストはドラマオリジナルの展開で、優しくて暖かいifのストーリーになっていた。
弥一が、公園で泣いている夏菜に駆け寄るシーンでは、佐藤隆太がこの役でほんとに良かったなと思えた。いい役者、いい原作、いい脚本の素晴らしいドラマでした。