さくら、紅かなめ

今日は天気がよかった。暖かくて気持ちの良い陽気だったので昼飯のあと家の前の道で写真を撮って遊んでいた。
一眼で桜を撮っていると、子連れのお母さんや老夫婦や買い物帰りのおばさんたちが歩きながら同じ桜をスマホでぱしゃりと撮っていく。
ぼくが撮りはじめる前は、歩いてる人たちは誰もスマホを取り出して道端の桜を撮ろうとなんてしなかった。それが20分くらいのあいだに10人近くが桜を写していっただろうか。
誰かが撮れば、みんな写真を撮ることを思い出すのだろう。カメラを持っていることを思い出すのだろう。
それをきっと家族や友達に見せるのだ。
ぼくは何となく鼻が高い気持ちになって、沢山シャッターを押した。

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マルチアスペクトといって、一度きりのシャッターで色んな四角の形をした写真が四枚ほど撮れる機能をよく使っている。
撮影後の編集はめったにしない。
ぱっと見返して収まりがいい写真をパソコンに残すだけで、よく撮れた写真でも四枚の中でだいたい一枚しか選ばない。
いや、それは逆で、形のちがう四枚の中に一枚くらいはけっこういいやつがあるという感じだ。余白やバランスが、半分偶然のおかげで、ぐっとよくなった写真を見つけるとうれしくなる。
自分の視点や感情が、写真にあらためて気付かされるのもいい。
花を見るぼくの目が、意外とロマンチックな写真を撮っていたりする。