①ポーの一族について
これから、ポーの一族の話をしていきたいと思います。
どこから読んでも分かるように書くつもりなので、漫画や物語、
まず第1回は『バンパネラ』について、です。
『我らはこの世ならぬもの
神が造りしものに非ず
生きとし生けるものすべて
命果てれば屍となる
されど我らは
塵となりて風に舞う』
これはポーの一族・宝塚舞台での歌の一節です。
ポーツネル男爵の妻になるシーラを一族に迎える儀式の際に歌われ
ポーの一族の大老であるキング・ポーの主題歌でもあります。
この歌詞(原作の漫画にもある台詞)
『神が造りしもの』
古くからキリスト教には、
ポーの一族の舞台は様々な時代に渡るヨーロッパの土地ですが、
では『神さまに造られていないもの』
その言葉の意味は2つあると思います。
1つはキリスト教を信じていないもの、
物語上でポーツネル男爵が『異端』
もう1つの意味は、神さまが造ったのではなく『
自然や神話以外の人工物、キリスト教への信仰をもたない『物語』
その2つの意味の重なる存在、それがバンパネラ、
注目は後者です。
連作であるポーの一族は、
神から見放された異端者たち一族を、
ではバンパネラ、
エドガーは誰の手によって生み出された存在なのか。
次回はその辺りを考えてみたいと思います。